魔女の起源

魔女の力の根源は、人類の創造主であるハインの(魔法の力を持つ)半身と考えられている。 そのハインは女性に姿を変え、彼女の力が後の人々に継承されていったと考えられている。この力を継承した人が、魔女となる。 これらの話は、魔女が女性である事を強制していない。

人間とはハインが創りだした自己増殖機能を備えた道具。 ハインが見ていない間に人間が増殖しすぎたために、道具としての価値のない子供を焼き払ったところ、人間は怒り、ハインに復讐をした。 この時、自分の創りだした道具との戦いに敗れたハインは姿をくらましたが、当時は保護されるべき存在であった女性に化けて、隠れていたというのが歴史学者テムによる先の見解。

話をまとめると、魔女とは人間の創造主であるハインの力を継ぐもの。 ハインが魔女となって身を隠した事から考えると、ハインの意識に魔女の力が付随するものであり、それを継承したものが魔女と推定できる。 人間というのは、ハインの道具に過ぎない。 しかし、人間には心があるので、人間は自身を神の道具と考えてはいないし、後の世界ではハインの存在すら重要な意味を持たなくなっている。 もはや、ハインなど神話の中に生きるものとされているのだから。

どちらも正しい

魔女の力にはハインの意識も伴うのなら、魔女にハインの意識が干渉すると考える事もできる。 魔女は人々から恐れられる存在として描かれる事が多いが、ハインと人の関係を考えれば、その理由は容易に理解できる。

ハインと人間の対立は、両者の理解が不足している事も一つの原因ではないだろうか。 ハインにとっての人間とは道具に過ぎないが、その道具が所有者に対して暴動を起こした。その様な困った道具は始末して然る可き存在と見做すのは、致し方ない。 人間からしてみれば、ハインは人間を虐殺する恐ろしい存在となる。 大量虐殺をもいとわない平和を乱すものこそがハインなのだから、追放されて然る可き存在と見做すのも、致し方ない。 両者がお互いの存在を理解し、信じ合う。然為れば、共存する事も可能ではないだろうか。

アルティミシアを倒す意義

FF8の物語では、クレイマー夫妻はスコールたちがアルティミシアを倒すようにレールを敷いた。 スコールたちは、それに従った。アーヴァインによれば、 いつだって選べる道は少なかった。時には道は1本しかなかった。その、少なかった可能性の中から自分で選んだ結果が、僕をここまで連れてきた。 僕たちは子供のころ、いっしょにいただろ? それが、いろんな事情で引きはなされてしまったんだよ。子供だったからひとりでは生きていけなくて……。他に許された道もなくて、ただ泣いているだけだったさ〜。 との事だが、今は彼らにも選択する力はあるのではないだろうか。 ここでやめるのか? G.F.をはずしてほしいか? 戦い続ける限りG.F.が与えてくれる力は必要だ。 なぜ、スコールは戦い続けるのか。

バハムート:愚かなる者よ、何故に『闘い』に身を置く?

スコール:(その存在が……。意義がわからないから……。闘いに身を置いている……のかもな)

FINAL FANTASY VIII MEMORITAL ALBUM "Wish you were here." chapter09-285 G.F.バハムートによるスコールへの問い

スコールは、戦う意義がわからないからこそ、戦い続けるのではないだろうか(何かを守るためという回答はハバムートに否定される)。

おねえちゃんがいなくても、一人で何でもできるようになりたかった。だから、戦いに身を置く事を決意したのだろう。 それが、いつしか戦う事が当たり前になり、戦う事でした問題が解決できないと思うようになったのだろうか。 いや、彼は、戦う事しか知らないのだろう。 この街のやり方に合わないけど、俺たち、この方法しか知りません。

戦う意義に関しては、ゲームシステムにもしっかりと反映されている。 FF8では、SeeDランクによって、シド学園長はプレイヤーを縛り付ける。それにより、プレーヤーは否応なしにバトルをさせられる。 しかし、FF8のシステム上、バトルをする必要性は殆どない。 キャラクターを強くしたいのなら、カードバトル等で手に入れたカード等から魔法を生成すればよいのだから。

通常、ビデオゲームにおいてプレーヤーが戦うのは、キャラクターを強化するためだろう。それが目的であって、バトルそのものが目的でないと気付いたなら、バトルや面倒なドローなどせずに、精製を行えばよいシステムになっている。 つまり、精製に気付くか否かは、シド学園長による思考停止から逃れられるか否かということでもある。

話を元に戻すと、スコールは何のためアルティミシアと戦うのか。恐ろしい魔女アルティミシアによる魔の手から逃れるためではないのか。 それが目的であるなら、アルティミシアを倒す以外の解決手段は無かったのだろうか。

スコール:俺たちの気持ちをぐらつかせようとしても無駄だ。あんたは何者でもない。あんたは、ただの『敵』だ。あんたの言葉は届かない。あんた、俺たちにとってモンスターと同じだ。

サイファー:モンスターと同じだあ? オレは魔女イデアの騎士だ。群れて襲いかかるモンスター。そりゃ、おまえたちだ。

この様な考え方では、アルティミシアを倒す以外の手段は思い浮かばないだろう。 スコールとサイファーの会話が人間とハインとのやり取りとしても通ってしまう事は、実に興味深い。 確かに、ハインにとって人間はモンスター以外の何者でもない。何せ、主人に襲いかかる凶暴な道具なのだから。 人間にしてみれば、ハインは敵以外の何者でもない。何の罪も犯していない人間に恐怖を齎す、恐ろしい存在なのだから。

しかし、スコールが他の選択肢を選ぶ可能性は、皆無ではなかった。 (・・・・・敵が悪いやつ?おそらく・・・・・・敵と俺たちを分けているのは善悪じゃない。お互いの立場が違うだけ。どっちも自分が善いと思ってる。善い奴と悪い奴がいるわけじゃない。敵と、敵じゃない奴がいるだけだ) この考えこそが、別の選択肢を見つけ出すためには欠かせないのではないだろうか。 この様な考えがあったにもかかわらずゲームの結末へと向かっていってしまったのは、残念に感じる。

魔女の力の根源は、人類の創造主であるハインの(魔法の力を持つ)半身

攻略本アルティマニア巻末の『ある日のガーデンの授業』に詳しい事は記載されている。同様の話は、FF8本編中にも見られる。

魔女にハインの意識が干渉

ハインが人目から逃れるために人間にジャンクションさせたものが魔女であるなら、魔女の意識にハインが影響を与えると考える事は自然。

魔女の成り立ち以外からも、ハインの魔女への干渉は推測できる。

G.F.は、自立エネルギー体の事であり、意識は持つが肉体は持たない。 G.F.をジャンクションすると、装着者の意識内に居場所を確保するため、装着者の記憶に障害が発生すると考えられている。

魔法は、元々はハインとその力の継承者以外には使用できないが、オダインの魔女研究により擬似魔法が開発された。 擬似魔法は兵器として使うに相応しい力を発揮できないが、G.F.と組み合わせる事で十分な効力を発揮できる。

力のみが肉体から切り離された存在であり、魔法にも精通しているG.F.は、魔法のハインによく似ている。 それならば、G.F.が装着者の意識に干渉するように、ハインの力が装着者の意識に影響を与えると推定する事ができる。

クレイマー夫妻はスコールたちがアルティミシアを倒すようにレールを敷いた

本編のエンディングを見ればわかるが、イデアは自分が後にガーデンを設立し、SeeDとなったスコールがアルティミシアを倒す事を知っていた。 つまり、クレイマー夫妻がガーデンを作り、スコールを入園させ、彼をガーデンのリーダーに任命した事は、全て夫妻が知っている未来に向けて事を進めていたという事。